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翻刻
【柱】古今巻八 〇九
たづぬるに主殿司(とのものつかさ)新主(しんしゆ)の御事をつとむとて参
らぬよし申けるに出家の心つよくなりにけるとかや
あなたこなたにて行はれけるが大原に住ける比
宇治殿かの庵室(あんしつ)に向ひ給て終夜(よもすがら)御物語あり
けり宇治殿後世はかならずみちびかせ給へなどし
めし給てあかつき帰なんとし給ける時/俊実(としざね)は不
覚の者にて候と申されけり其時は何共おもひ
わかせ給はでかへりて後しづかにあんじ給ふにさせる
つゐでもなきに子息の事よもあしきさまには
いはれじ見はなつまじき由也けりと思ひとりて