Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション4

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 5627 - 翻刻

BnF. Département des Manuscrits. Japonais 5627 - ページ 529

ページ: 529

翻刻

   【柱】古今巻八        〇十一 すべて物をもだにいはず目をも見合ず打そばむき てあればしばしは何事の出きたるぞやと心もえず 思ひゐたるにしだいにいとひまさりてかたはらいたき程也 さき〳〵の様に一処にも居ず方(かた)をかへて住侍けり ある日形部【刑部】卿出仕して夜に入て帰りたりけるに出居 に火をだにもともさず装束(さうぞく)はぬぎたれ共たゝむ人 もなかりけり女房共もみな御前のまひきに随(したかい)ひて さし出る人もなかりければせんかたなくて車よせの妻(つま) 戸をおしあけて独(ひとり)ながめ居たるに更闌(こうたけ)夜しづかに て月のひかり風の音物ごとに身にしみわたりて人の