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翻刻
【柱】古今巻八 〇十三
懺悔(さんげ)の為(ため)をの〳〵ありのまゝかたり申べしと仰られて
法皇より次第に仰られけるに小侍従(こじじう)が番(ばん)にあたりて
いかにもこゝにそ優(ゆう)なる事はあらんずるなど人々申けれ
ば小侍従打わらひて多く候よそれにとりて生涯(せうがい)の
わすれがたき一ふし候げに妄執(まうしう)にもなりぬべきに御前
にて懺悔(ざんげ)候なば罪(つみ)かろむへかしとて申けるはそのかみ
ある所よりむかへにあはせたる【「あはせたる」は書陵部本「たまはせたる」】事有しにすべて月さへ
ぬ【「月さへぬ」は書陵部本「おぼえぬ」】程にいみじく執し侍し事にて心ことにいかに
せんと思ひしに月さえわたり風はださむきにさ夜
もやゝ更ゆけばちゞに思ひくだけて心もとなさ