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かぎりなきに車の音(をと)はるかに聞しかばあはれこれ
にやあらんとむねうちさはぐにからりとやりいるれば弥
心まよひせられて人わろき程にいそぎのられぬさて
行つきて車よせにさしよするほどにさてみすのうち
よりにほひ殊にてなへらかになつかしき人出てすだれ
もてあげておろすにまづいみじうらうたくおぼゆるに
立ながらきぬごしにみしといだきていかなるをぞさぞと
ありし事がら何と申つくすべし共覚へ候はず扨しめや
かにうちかたらふに長き夜もかぎりあれば鐘(かね)の音
もはるかにひゞき鳥のねもはや聞ゆればむつごとに
【柱】古今巻八 〇十四