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せん【「せん」は書陵部本「けん」】又此人をたふらさんとて魔(ま)や心にかはりけんいか
にも此あるしをみすぐして立かへるべき心地せざり
ければちかくよりてあひしらふに此人思はずげに思ひ
てひきしのぶをしゐて取とゞめてげりあさましう
心うけに思ひたるさまいとゞことはり也何とすとも
只今は人もなしあたりちかく聞おどろくべき庵
もなけれはいかにすまふとてもむなしからしと思て
ねん比にいひてつゐにほいとげてげり力及ばて只
したがひ居たるけしきひとへに我あやまちなれば
かたはらいたき事かぎりなかりけりしたしく成て
【柱】古今巻八 〇十九