← 前のページ
ページ 55 / 1317
次のページ →
翻刻
ごのもの也けれ共引たつる人もなかりけるに忝/神恩(しんをん)を
蒙(かうふ)りて先途(せんど)を達(たつ)してげる目出度程のものなり
前大和守藤原重澄(さきのやまとのかみふぢはらしげすみ)は賀茂につかうまつりて太夫/尉(のぜう)迄
のぼりたる者也/若(わか)かりける時/兵衛尉(ひやうゑのぜう)に成侍らんとて
当社(たうしや)の土屋(つちや)を造進(ぞうしん)したりけり厳重(けんぢう)の成功(せいこう)にて社家(しやけ)
推挙(すいきよ)しければはづるべきやうもなかりけるにたび〳〵の
ぢもくにもれにけり重澄(しげすみ)が神(かみ)の社(やしろ)の師(し)にて侍ける
ものに申付てちもくの夜起請(よきしやう)せさせける程にまどろ
みたる夢にいなりより御/使(つかい)参たるもの有人出あひて
是を聞くにかの御/使(つかい)の申けるは重澄(しけすみ)が所望殊更(しよまうことさら)に任(にん)
【柱】古今巻一 〇二十五