← 前のページ
ページ 56 / 1317
次のページ →
翻刻
【柱】古今巻一 〇二十五
せらるべからず我ひざもとにて生れながら我をわすれ
たるものなりと申ければ申つぎの大明神に申いるゝよし
にて度々(たひ〳〵)御問答(ごもんだう)ありけりさらば此/度計(たひばかり)なされずして
思ひしらせて後(のち)の度(たび)のぢもくになさるべしと申ければ
御/使帰(つかいかへ)りぬ師(し)おどろきて急(いそ)ぎ重澄(しげずみ)がもとへ行て此由
を語(かた)りて驚(おとろき)あやしむ程に其夜のぢもくにははづれに
けり此夢の誠(まこと)をしらんがために稲荷(いなり)へ参てつぎの度
のぢもくには申も出さゞりけれ共/相違(さうい)なくなされにけり。
太夫(たゆふ)の史淳方(しあつかた)わかゝりける時/常(つね)に賀茂(かも)へ参りけり
ある夜/下(しも)のやしろに通夜(つや)したりけるに人来て淳方(あつかた)