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翻刻
【柱】古今巻八 〇二十三
も入させ給はで彼女房のかたをしきりに御覧すれば
女わづらはしげに思て打まぎれて左衛門の陣のかたへ出
にけり六位を召て此女のかへらん所見置て申せと仰ら
れければ蔵人追付てみるに此女房心へたりけるにや
いかにも此男すかしやりてんと思て蔵人をまねき寄(よせ)
うちわらひてなよ竹のと申せ給へあなかしこ御返事
承らん程はこゝにて待参らせんといへばすかすとは思ひ
もよらず只すきあひ参らせんとするぞと心へて急(いそき)
参りて此よし申せば定めて古歌の句にてぞあるら
んとて御尋有けれ共其座にては知(し)る人なかりければ