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成ぬべしたゞ此まゝにて人のいたくしらぬ程なら
ばたえずめしにもしたがふべきよしを申ければつゐに
本のすみかへかへされて時々ぞしのびてめされける
彼少将は隠者(いんきよ)なりけるをあらぬかたにつけてめし
出されてよろづに御情をかけられて近習の人
数にくはへられなどして程なく中将になされに
けりつゝむとすれどをのづから世にもれ聞へて人
の口のさがなさは其比のことわざにはなるとの中将
とぞ申けるなるとのわかめとてよきめののほる所な
ればかゝる異名(いみやう)を付たりけるとかやをよそ君と
【柱】古今巻八 〇二十九