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翻刻
【柱】古今巻九 〇一
けりとぞ申/伝(つたへ)て侍る又/白河院(しらかはのゐん)御代を莚(むしろ)のごとくにまき
てもたせおはしましたりしが猶(なを)武者(ぶしや)をたてゝ凡(およそ)たゆま
せおはしまさゞりけり仰事(ほせこと)ありけるは小一条院(こいちてうゐん)は世の
をこの人にて有けるが頼義(よりよし)を身をはなたでもたりけ
るがきはめてうるせくおぼゆる也今はわれが侍ればと
こそ忠盛朝臣(たゝもりあそん)には仰事有けれさもあらん武士(ぶし)壱人
をばたのみてもたせおはしますべき事也とぞ九条大相(くてうのだいしやう)
国(こく)の二条院(にてうゐん)へは申給ひける【335】○頼光朝臣(よりみつあそん)寒夜(かんや)に物(もの)へありき
て帰(かへり)けるに頼信(よりのぶ)の家(いへ)ちかくよりたれば公時(きんとき)を使(つかい)にて
只今(たゞいま)こそ罷過(まかりすき)侍れ此(この)寒こそはしたなけれ美酒(ひしゆ)侍るや