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翻刻
【柱】古今巻九 〇二
めさせければ金鎖(かなくさり)をとり出てよくにげぬやうに
したゝめけり鬼同丸頼光のの給事を聞より口/惜(をしき)
物かな何とぞあれと夜のうちに此/恨(うらみ)をばむくはんず
るものをと思ひゐたりけり盃酌(はいしやく)数献(すうこん)に成て頼光
も酔(えい)て卧(ふし)ぬ頼信も入にけり夜ふけしづまる程に
鬼同丸/究竟(くつきやう)のものにていましめたる縄金鎖(なはかなくさり)ふ
み切てのがれ出ぬ狐戸(きつねど)より入て頼光のねたる上の
天井(てんぜう)にあり此天井引はなちて落(をち)かゝりなば勝(せう)
負(ぶ)すべき方/異儀(いぎ)あらじと思ためらふ程に頼光
も直(たゞ)人にあらねばはやくさとりにけり落かゝり