← 前のページ
ページ 579 / 1317
次のページ →
翻刻
なば大事と思ひて天井にいたちよりも大きにてん
よりもちいさきものゝ音(をと)こそすれといひて誰(たれ)か候と
よびければ綱(つな)名乗(なのり)て参りけり明日は鞍馬(くらま)へ可_レ参
いまだ夜をこめて是よりやがて参らんずるぞそれがし
〳〵供すべしといはれければ綱(つな)承りてみな是に候と
申てゐたり鬼同丸此事を聞てこゝにては今は叶(カナフ)
まじ酔卧(えいふし)たらばとこそ思ひつれなまさかしき事し
出てはあしかりなんと思ひて明日の鞍馬(くらま)の道にて
こそと思ひかへして天井をのがれ出てくらまのかたへ
むかひて市原野の辺(へん)にてびんぎの所をもとむる
【柱】古今巻九 〇三