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翻刻
【柱】古今巻一 〇二十六
はか〴〵しく家(いへ)なども持(もた)ざりければ花山/院(ゐん)の釣殿(つりとの)に
宿(しゆく)してそれより歩行(かち)にてふるにも照(てる)にも只(たゞ)賀茂へ
参をつとめとしてげり其比よみ侍りけり
世中に数(かず)ならぬ身の友千鳥(ともちどり)
鳴(なき)こそわたれかもの川原に
此/歌(うた)心のうちばかりに思ひつらねて世にちらしたる
事もなかりけるに社司(しやし)《割書:忘(ハウ)_二却(キヤクス)|其名(ソノナヲ)_一》が夢に大明神われはなき
こそわたれ数(かず)ならぬ身にとよみたるものゝいとおしき
なり尋よとしめし給けりそれより普(あまね)く尋(たつね)ければ
此/雅経(まさつね)のよみたる也けりこの示現(じげん)きゝていかばかり