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牛の腹のほどをさして箭(や)をはなちたるに死たる
牛ゆす〳〵とはたらきて腹(はら)の内より大の童(わらは)打刀
をぬきて走(はしり)出て頼光にかゝりけり見れば鬼同丸
也けり箭(や)を射(い)たてられながら猶事共せず敵(てき)に
向ひけり頼光は少もさはがず太刀をぬきて鬼同
丸が頭(かうべ)を打おとしてけりやがてもたふれず打刀を
ぬきて鞍(くら)のまへつはをつきたりさて頭(かうべ)はむながいに
くいつきたりけるとなん死ぬる迄たけくいかめしう
侍りける由語りつたへたりまことなりける事にや
扨頼光はそれより帰にける【336】○伊与守(いよのかみ)源頼義(みなもとよりよし)朝臣
【柱】古今巻九 〇四