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翻刻
【柱】古今巻九 〇四
貞任(さだたう)宗任(むねたう)等をせむる間/陸奥(みちのくに)に十二年の春秋を送(おくり)
けり鎮守府(ちんじゆふ)をたちて秋田の城にうつりけるに雪(ゆき)ふり
て軍のおのこどもの鎧(よろひ)みな白妙(しろたへ)に成にけり衣河(ころもかは)の
館(たち)岸(きし)高(たか)く川有ければ楯(たて)をいたゝきて冑(かぶと)にかさね
筏(いかだ)をくみて責(せめ)戦(たゝかふ)に貞任(さだたう)等たえずしてつゐに
城のうしろよりのがれ落(をち)ける一男(いちなん)八幡太郎/義家(よしいへ)
衣川に追(をひ)たてせめあふせてきたなくもうしろを見する
ものかなしはし引かへせ物いはんといはれたりければ
貞任見かへりたりけるに
衣のたてはほころびにけり