← 前のページ
ページ 588 / 1317
次のページ →
翻刻
【柱】古今巻九 〇七
たりけり宗任は中門に侍けり五月(さつき)闇の空(そら)墨を
かけたるごとくにて雨ふり神(かん)なりておそろしき
事限なしいかにもことあらんずらんと思ひたる所
にあんのごとく強盗(ごうどう)数十人きほひ来にけり門の
前によりそばひて有火をともしたるかけより見
れば廿人計有宗任いかゞはからふべきと思ひたる
に中門の下より犬一疋はしり出てほえけるを宗
任ちいさきひきめをもて射(い)たりけるに犬いられ
てけい〳〵となきてはしるをやがておなしさまに
矢つぎばやに射(い)てけり其時義家朝臣/誰(たれ)候そ