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翻刻
【柱】古今巻九 〇十一
の安否(あんひ)は此度の合戦によるべしとて鎧馬/鞍(くら)など給け
ればかしこまり悦て向(むか)ひけり誠に身命をおしまず
ゆゝしかりければ勘気ゆるされて本/領(りやう)かへし給りて
二度/旧里(ふるさと)に帰りき此番は無双の手きゝにて侍にけり
渡部にてしかるべき客人(きやくじん)の来りける時/鮒(ふな)はせをし
けるには箭(や)をたばさみておどる鯉(こひ)を一つもはづさず
射けり網(あみ)に入にはもるゝ方もおほし是は一つももら
さずいとめければみな人目をおどろかしけり
【341】強盗入たりけるに貞綱(さたつな)は酒に酔て白拍子(しらびやうし)玉寿
と合宿したりけり思ひもよらぬにね所に打入たり