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年の始に弓を射けるに九度(くと)の弓はつるたび今矢
三あまりたりけり賀次が矢は一すぢ也あたらん事は
不審(ふしん)なけれ共今二の矢がかずあまりぬれば射ても
用事なしと左右ともにいひけるを賀次がいはく
かりまたをゆるされ給たらば諸(を)付をつかうまつり
持(ぢ)にし侍らんといふを主人あしくいふものかな若(もし)
はづるゝ事も有にと思ひけれ共諸人目をすまさ
んがためにゆるしてかりまたをとらせてけり賀次
よく引てはなちたるにいふがごとく諸(を)付を射きり
て的(まと)土におちにけり諸付いつれば矢かず三に
【柱】古今巻九 〇十七