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翻刻
【柱】古今巻十 〇八
はかせてぞ有ける幕下富士川あひざはの狩に
出られける時は経家は馬七八疋に鞍(くら)置て手綱(たつな)むす
びて人もつけずうち放して侍ければ経家が馬の
尻にしたがひて行けりさて狩場(かりば)にて馬のつかれたる
折には召にしたかひてぞ参られけるか様に伝へ
たるものなし経家いふかひなく入海(にうかい)して死にけれ
は知るものなし口おしき事也
【365】一条二位の入道のもとに高名のはね馬出来けり
秦(はたの)頼久(よりひさ)を召て乗(のせ)られたりけるに一たまりもせず
はねおとされけるを父/敦頼(あつより)が七十/有余(うよ)にて候けるが