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翻刻
【柱】古今巻十 〇十六
【376】尾張(をはりの)国の住人おこまの権守わかゝりける時京に
宮仕(みやつかへ)して侍けるがある時かの主人行幸/供奉(くふ)の為
に内裏へまいりけるともに侍けり少/遅参(ちさん)したり
けるに陣頭(ぢんとう)に馬車ひしと立たるをわけまいるに
或舎人あやまちせたもふな此御馬は人をふみ候ぞ
といふを権之守少も事共せず主人よりさきにすゝ
みて御馬引のけよ馬の足/損(そん)ずなといひけり舎人
は馬をばなをさず猶あやまちせさせ給なとたび
〳〵いひけりおこまはりうらのかりぎぬの殊にさや
めきたるをなん着(き)て馬の尻にわざとあたらんと