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翻刻
【柱】古今巻十 〇二十三
みするに物ならはかさんと云てたゞしめにしめまさり
ければ既(すで)にあはをふきて死なんとしけり其時はづしぬ
法師はくだ〳〵と絶(たへ)入てわづかに息(いき)計かよひける水/吹(ふき)
などして一時計有ていきあがりにけりかゝりける程に
其比東国の武士大番にて京上すとて此かいつに日
たかく宿しけり馬共/湖(みつうみ)に引入てひやしける其中に
竹の棹(さを)さしたる馬のすゞしげなるが物におどろきて走(はし)り
まひける人あまた取付て引とゝめけれ共物ともせず
引かなぐりてはしりげるに此遊女行あひぬすこしも
おどろきたる事もなくてたかきあしだをはきたり