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翻刻
申也/不肖(ふせう)の身今度すでに最(ほ)手の脇(わき)をゆるされぬ
誠に申さるゝ所のがれがたし但ちと心見候へと申ぬ弘
光ほゝゑみてたゞ道理のをす所を申計也心得見ら
れんは又さいはい也とて左の手を出してこひけるを
伊成は袖をかきあはせてかしこまりて猶父のけし
きをうかゞひけるを又弘光かやうに申うへはたゞ心み候へ
とたひ〴〵いひけれは弘光がいだす所の左の手を
伊成が右の手してひしと取てげり弘光引ぬかん
と身をうごかしけれ共たぢろかざりければたはふれ
にもてなして右の手をこしの刀にかけて引ぬかん
【上欄書入れ】28
【柱】古今巻十 〇二十五