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入て候に只今ちりたるこけら計にて前に散(ちり)つ
もりたるなしこれ大なる難に候と申ければ法皇
仰らるゝ事もなくて絵をおさめられにけり
【399】伊与入道はおさなくより絵をよく書侍り父うけ
ぬ事になん思へりけり無下に幼少の時父の家の
中門の廊(らう)の壁(かべ)にかはらけのわれにて不動(ふどう)の立
給へるを書たりけるを客人(きやくじん)誰(たれ)とかや慥に聞しを
忘(わすれ)にけりこれを見てたがかきて候にかとおどろ
きたるけしきにて問けれはあるし打わらひてこ
れはまことしき物の書たるには候はず愚息(ぐそく)の小(こ)
【上欄書入れ】15
【柱】古今巻十一 〇十三