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の浄刹(じやうせつ)をのぞむ天平/宝字(ほうじ)七年六月十五日/蒼美(そうび)を
おとしていよ〳〵往生(わうじやう)浄土のつとめ念ごろ也/誓願(せいぐわん)を発(おこ)し
ていはく我もし生身(しやうじん)の弥陀(みだ)を見奉らずはながく伽藍(からん)の
門圃(もんこん)を出じと七日/祈念(きねん)の間同月廿日/酉(とり)の刻(こく)に壱人の
比丘尼(びくに)こつぜんとして来ていはく汝(なんじ)九/品教主(ほんのけうしゆ)を見奉らん
と思はゞ百/駄(だ)の蓮花(れんげ)をまうくべし仏種縁(ぶつしゆえん)よりしやうずる故
也といふ本願/禅尼(ぜんに)観(くはん)喜身(ぎみ)にあまりて化人(けにん)の告(つげ)をしるして
公家(くけ)に奏聞(そうもん)す叡感(えいかん)をたれて宣旨(せんじ)を下されにけり忍海勅(にんかいちよく)
命(めい)を奉(うけたまはり)て近国(きんこく)の内に蓮(はす)のくきをもよほしめぐらすにわづ
かに一両日の程に九十/余駄(よだ)出来にけり化(け)人みづから蓮(はす)の
【柱】古今巻二 〇五