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にきかせざりけり鞠の音(をと)計聞へける大/盤(はん)のうへに
只沓を置(をか)んすら音はすべしましてまりを蹴(け)てその
音をきかせぬ事ふしぎの事也さて又/侍(さふらい)七八人をなら
べ居させて端(はし)に居たるより次第に肩(かた)を踏(ふみ)て沓を
はきなから小まりをけられけり其中に法師一人
有けるをはかたよりやがて頭(かしら)をふみてとをられけり
かくする事一両度をりてまりをとりていかゝ覚ゆる
ととはれければ肩(かた)に御沓のあたり候とは覚へ候はず
鷹(たか)を手にすへたる程にぞ覚へ候つると各々申けり
法師は又/平笠(ひらかさ)を着(き)たる程の心ちにて候つるぞと
【上欄書入れ】24
【柱】古今巻十一 〇二十二