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翻刻
【柱】古今巻十二 〇六
やう是十貫の銭有奉らん我を一月に十五日此家に
我はかり宿してその程一日に二たびの斎料をこひ銭に
てしてたまへさて用途(ようと)つきなんのちはとゞめたまへと
いへば家のあるじよき事と思ひて事うけしてげり
かくて商売し給ふ所なれば家せばく所なし屋のうへ
にゐたらんはいかにといへばそれは心にまかせ給へといへ
ば悦て家の上(うへ)にのぼりて下(しも)見さげて世の人のさは
ぎはしるさまを見て世間の無常(むじやう)をさとりて念仏
して上十五日をすぐしけり今十貫を持て又七条ノ
町に行て此定にして下十五日をすぐしけり去程に