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見て甲(かう)のしりのかた三寸計【ばかり】をぬすみてきりてけり
あさましなともいふはかりなしさてあらぬ木にてつがれ
にけりいく程の所得(しよとく)せんとてかくばかりの重宝をかたば
かりなしけん盗人(ぬすひと)の心いづれとはいひながらうたてく
口をしかりけるものかな
【429】博雅(はくがの)三位の家に盗人(ぬすひと)入たりけり三品(さんほん)板敷の下ににげ
かくれにけり盗人帰りさて後はひ出て家中を見るに
残たる物なくみな取てげり篳篥(ひちりき)一を置物/厨子(つし)
に残したりけるを三位とりてふかれたりけるを出て
さりぬる盗人はるかに是を聞て感情(かんせい)をさへがたくし
【上欄書入れ】14
【柱】古今巻十二 〇十一