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翻刻
【柱】古今巻十二 〇十五
まりければうたがひもなく此内の人也けりと思ひて
立帰りて此やうを主(ぬし)に語(かた)りければ大理の辺に参り
通ふ者なりければ則参てひそかに此様を語り申
ければ大理聞おどろかれて家の中をせんぎせられ
けれ共更にあやしき事なかりけり件の血(ち)北(きた)の対(たい)の
車/宿(やとり)迄こぼれたりければつぼね女房の中に盗人を
こめ置たるしわざにこそとてみな房共をさがされん
ずる儀に成て女房共をよばれけり其中に大納言
殿とかやとて上/臈(らう)女房の有けるが此程風のおこり
てえなん参らぬよしをいひけり重(かさね)てたゞいかにもして