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人に成共かゝりて参り給へとせめられければのがるゝ
方なくてなまじゐに参りぬ其跡をさがしければ血
付たる小袖有あやしくていよ〳〵あなぐりて坂板(さかいた)を上(あげ)
て見るにさま〴〵の物共をかくし置たりげり彼男が云(いひ)
つるにたかはずひをくゝりの直垂(なをし)袴(はかま)なども有けり面(をもて)
形一つ有けるは其ふるき面(おもて)をして顔(かを)をかくして夜な〳〵
強盗(がうどう)をしけるなりけり大理(たいり)大にあざみて則/官(くはん)人
に仰て白昼(はくちう)の禁獄(きうごく)せられける見物の輩(ともがら)市をなし
て所もさりあへざりけるとぞきぬかづきをぬがせて
おもてをあらはにして出されけり諸人見てあさましと
【上欄書入れ】19
【柱】古今巻十二 〇十六