← 前のページ
ページ 79 / 1317
次のページ →
翻刻
【柱】古今巻二 〇七
する事をえずと是によりて長渕(ながす)のはまに至(いた)りてなまし
き魚(うを)を求(もとめ)てこれをすゝめ給ふに同しくは味(あちはひ)をとゝのえ
てあたへ給へと申せば上人みづから塩梅(あんばい)をして其/魚味(うをのあち)
をこゝろみてあぢはひとゝのふる時すゝめ給ふに病者是
をぶくすかくて日を送(をく)る又云/我病温泉(わがやまひをんせん)の効験(かうけん)をたの
むといへとも忽(たちまち)にいえん事かたし苦痛(くつう)しばらくもしのび
がたしたとへをとるに物なし上人の慈悲(じひ)にあらては誰(たれ)か
我をたすけんねがはくは上人我いたむ所のはだへをねぶり
給へしからばおのづから苦痛(くつう)たすかりなんといふ其/体焼爛(たいしやうらん)
してその香(にを)ひはなはたくさくして少もたへこらふべくも