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翻刻
けり行実は衣冠(いくわん)に巻纓(まきえい)して深沓(ふかくつ)をぞはきたりける
佐々木判官/廣綱(ひろつな)白襖(しらあを)に毛沓(けぐつ)はきて郎等廿人に一色
の鎧(よろひ)きせうけ取けりゆゝしき見物にてぞ侍ける北陣
の門前に犯人(ぼんにん)を引すへたりけるを廣綱が下/部(べ)すゝみて
うけ取て引たつる所に犯人がいはくしばらくまたせ給へ
申上べき事候とて一首の歌を詠し侍ける
あふみなる鏡(かゝみ)の山に陰(かけ)見へて
さゝきのへとてわたりぬるかな
かゝる中にいづくに胆魂(きもたましい)有てあんじつゞけるにかあ
はれなりといふことはなくて盗人たましゐの程あらは
【上欄書入れ】24
【柱】古今巻十二 〇二十