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入てこと〴〵くも取ず少々を取て帰らんとするが
さけ棚(たな)の上に鉢(はち)に灰(はい)を入て置たりけるをこの
盗人何とる【「る」は「か」ヵ】思ひたりけんつかみ食(くい)て後袋に取入
たる物をば本(もと)のごとくに置て帰りけり待まうけ
たる事なればふせてからめてげり此盗人のふる
まひ心得がたくて其子細を尋ければぬす人いふ
やう我(われ)本(もと)より盜の心なし此一両日/食物(しよくもつ)絶(たへ)て
術(じゆつ)なくひだるく候まゝにはじめてかゝるこゝろ付
て参侍りつる也然るに御棚に麦(むぎ)の粉(こ)やらんと
おぼしき物之手にさはり候つるを物之ほしく候
【上欄書入れ】26
【柱】古今巻十二 〇二十二