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翻刻
【柱】古今巻十二 〇二十三
先思召候へたゞのしら人が強盗とみづから名乗(なのり)て命
をまかせ参らせて何のせんか候べきといへば実(げに)も理(ことわり)
にて委(くはし)く問答するに小殿が云やう年ごろ西国
の方にて海賊(かいぞく)をし東国にては山だちをし京都
にては強盗(ごうどう)をし辺土(へんど)にてはひきはぎをして過候
つる也かゝる重罪(ぢうざい)の身を受候ぬれば此世にても安き
心候はず夜も安くねず昼も心打くつろぐ事なし
世のおそろしく人のつゝましき事かなしき苦患(くげん)にて候
也扨も一/期(ご)事なくて有べき身にても候はずつゐに
定てからめ出されてはぢをさらしかなしき目をこそ