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翻刻
時とみのこと有て宇治/布(ぬの)十/端(たん)入るべかりけるに
只今は戌刻(いぬのこく)ばかり也此用は明日/巳刻(みのこく)以前の事也
さたしいだしがたかりけるをさるにても宇治へ尋て
こそきかめとて用途(ようと)をもたせてつかはしけり小殿を
兵士(へいし)のためにそへてつかはしけるに小殿たかしこか
きおひて真(ま)弓打かたげてひらあしだはきて行け
り用途もたる物は高名のはや足の力者をえらひ
定められけるか此小殿があゆむにいかにおくれじと
あせかきけれどかなはずをそかりければ七条河原
にて小殿云やう其あゆみやうにては急(いそき)の御太事
【上欄書入れ】30
【柱】古今巻十二 〇二十七