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翻刻
とてやりぬ力者七条河原より帰り参るに子刻(ねのこく)の
始計に参りつきて此やう申せばかたへの輩はうた
がひ思ひてあさみさはきなどしける折に小殿布持て
参たり上下おとろきあざむ事かぎりなし鳥の飛も
いかでかこれほとはやき事は侍べき七条河原より帰
たる使とたゞ同じ程に走帰りたる事おそろしき事
也人のふるまひ共覚へず山をはしり水に入てふるま
へるさま凡夫(ぼんぷ)の所為にはあらざりけり昔は八幡の児(ちご)
にて侍けり篳篥(ひちりき)など優(ゆう)にふきて世おぼへも侍
けるが所領(しよりやう)相論(さうろん)の事有之/叔父(をぢ)をころしてけり
【上欄書入れ】31
【柱】古今巻十二 〇二十八