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候ぬそれを見しに立帰りてむかいあはんと思ひしか
どもいかにもたてあひぬべき心地もせず候しかばうし
ろより逃(にけ)出て河に入て水の底(そこ)をくゞりて八幡へ罷
て其度はたすかりて候きやがて大勢つゞき入て大
殿はからめられて候し也一/期(ご)にそれ程手ばやく
心かうなる者見候はずとなんかたりけり
【442】くらままうでの者の夕暮に市原野(いちはらの)を過けるに
盗人に行あひて着(き)たる物はぎとられて剰(あまさへ)きず
を負(をふ)て侍と人のかたるをきゝて慶算(けうざん)がよみ
侍りける
【上欄書入れ】33
【柱】古今巻十二 〇三十