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翻刻
琶(は)を弾ず宰相(さいしやう)中将笛を吹右大弁/笙(さうのふへ)を吹けり次/古(こ)
鳥蘇(とりそ)次/胡飲酒(こいんしゆ)中院右府/童(わらは)にておはしけるが仕給け
り内大臣一家の人々を卒(そつ)して楽(がく)屋へ向ひ給て扶持(ふち)し
給けり内府/帰着(きちやくし)給て後ぞ舞をば奏(そう)し侍ける年
わづかに九歳の時也けるに一曲もあやまちなかりければ
万人/感歎(かんたん)する事かぎりなかりけり去年/資忠(すけたゞ)父子
共に害(がい)せられて後此曲/絶(たへ)けるを父おとゞ治暦三年
に九歳にて舞給ひけるをけふ世につたへられぬる
めでたかりける事也/胡飲酒(こいんしゆ)の童をめして御/衵袙(あこめ)を
給はせ給ひけるを右大臣伝へ給ひければ童/領舞(れうふし)て
【上欄書入れ】2
【柱】古今巻十三 〇二