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翻刻
【柱】古今巻十五 〇一
ゆへを尋申せば此たび勝(かち)なば命有べからずと仰られ
けり助信(すけのふ)たゞ勝(かち)て死(し)ぬべきよしをしゐて申入ければ
かぢして給はせてげり其日に成て尾張(をはり)の種武(たねたけ)に
あひて勝(かち)にけるが馬場(ばゞ)すへに門の有けるがあきた
りけるに関(くわん)の木(き)のさしいでたりけるに首(くび)をかけて
落(をち)て死にけり禄(ろく)をば移(うつす)にそかけられける種武(たねたけ)は
わきじろといふ馬に乗(のり)たりけるも究竟(くきやう)の馬にて
有ければ乗(のり)けるものいまだ負(まけ)ざりけるに此度種武
乗て始(はしめ)て負(まけ)にけりわきじろ馬場(ばゞ)のすへにて種
武をはねおとしてくいころしてげり彼つがひ二人