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翻刻
【柱】古今巻十五 〇十一
を尋聞て菩提(ほだ)院へ行ぬうかゞひ見れば花たのしろ
うらの狩衣(かりきぬ)におり物のさしぬきふみくゝみて庭の
桜を詠てかうらんに寄(より)いたるけしきいと優(ゆう)にて徳大
寺の御跡は此人におはしけりと思ひて左右なく桜
の本(もと)に立寄たりければ中将いかなる人にかと尋ら
れけるに西行と申者の参て候と申ければとし比
見参したかりけるにと殊に悦給て縁(えん)の上によび
のぼせてむかし今の事語られける日やう〳〵暮に
ければ西行も帰りぬ其後つねに参て物語しけり
かゝる程に任(にん)大臣有べしと聞へけり蔵人頭にかの中