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翻刻
将なるべき仁にあたり給ひたりけるに院は中将成経
朝臣をなさんとおぼしめしけり殿下は又大蔵卿頼宗
朝臣を推挙(すいきよ)ありければ両/闕(けつ)共に叶(かな)ふまじげに聞え
けるを西行聞ていそぎ中将のもとに詣(まう)でその由
をかたりて人にこえられ給ひなば定めて世をのがれ給は
んずらんなど申けるを中将聞て誠にさこそ有べけれ
共/母尼堂(ぼにだう)を立べき願有て其間の事を中将たゞ出
家の身にて口入(くにう)せん事すゝめ法師ににたらんずれば
其願とげて後相はからふべしと答られければ西行
こゝろをとりして帰りぬ任(にん)大臣のつゐでに聞えしが
【上欄書入れ】14
【柱】古今巻十五 〇十二