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翻刻
ける一人をばとねりからめてける一人をば左近の番(ばんの)長
秦(はだ)の兼清(かねきよ)が下人からめてげり其主人二人太夫ノ尉/将義(まさよし)
が郎従(らうじう)のよし名乗けれ共まことは皇后宮の侍長(シチヤウ)源ノ
有治(ありはる)が郎従(らうじう)成けり則随身をもて検非違使(けんびいし)をめし
けれ共をそかりければ犯人四人馬/副(ぞへ)の瀧(たき)口に預けら
れにけりかゝりける程に馬/副(ぞへ)ぐし給はざりければ左大
将のをぞ四人かりわたされにける件の犯人四人検非違
使/資持(すけもち)にたびてげり有治(ありはる)はおとゝの前駈(せんく)したりけ
るが閑道(かんどう)より下社へまゐりまうけたりけるが此事
を聞て恐をなして罷帰りにけり彼犯人等は大和国
【上欄書入れ】23
【柱】古今巻十五 〇二十一