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翻刻
【柱】古今巻十六 〇一
【510】久安の比宇治左府うちへおはしましけるに有盛(ありもり)
朝臣/装束(しやうぞく)を車にぬぎ置てありきけるがおとゞ
にあひ奉りにけり主君の御車と見て物きるに
およばずまどひおりたりけるいかにおかしとおぼしけん
【511】仁平二年三月廿五日/八幡(やはた)行幸有けるに蔵人
判官藤原の範貞(のりさた)舞人をつとめたりけるに
宮寺にて左大臣わたくしに奉幣(ほうへい)せさせ給ひて
南階(なんかい)をおり給ひけるに範貞(のりさた)立むかひてうやまふ
けしきなかりけりおとゞふしぎと覚してひそかに
われをばしらぬかと問給ひたりければいまだ見しり