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と仰られければ近武承て則かの童の出立の所
へ行にけり先酒をこひ出していひけるは大(おほ)がうしにて
五ど召べし其後たか枕(まくら)をしてしばしねべきよしをいひけれ
ば童も堪能者(かんのうのもの)にて有けるにやかひ〴〵敷いふがごとくに
のみてねにけりしばらく有てをこして装束(しやうそく)取きせ
て袴(はかま)の裏(うら)うへをあららかにとりてむず〳〵とひろげら
れてうつくしき装束さん〴〵に成にけり御室(をむろ)御覧じて
こはいかなるやうぞと御尋有ければ近武申けるは此/定(じやう)
にこそ仕候へ進退(しんたい)かよく候へは君の御目にもよく見へ
まいらせ候也此/児(ちこ)は無進退(ぶしんたい)の人にてかく近武にも
【上欄書入れ】14
【柱】古今巻十六 〇十二