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翻刻
ちうに見物をばせずして釈迦堂(しやかどう)のまへのさくらの
もとにて鞠(まり)をけらる程にだいご法師にをひちら
かされてからき目見たりけり方〳〵にげのがれに
けれどよくきたわれ【「きらわれ」ヵ。書陵部本「またはれ」】たるによりてうとめ増圓と
ぞ人はいひける
【534】進士(シンシ)志(サクハン)定茂(サダモチ)といふさむらい学生(がくせう)ありけるある人
のもとに有馬(ありま)の湯(ゆ)へ行とて行縢(むかばき)を人にかりた
りけるに一/懸(かけ)かしたりけるを見て二まてかし
たる過分なりとてかた〳〵をばかへしてげり其あ
かつきになりてかた皮(かは)に左右のあしを入て馬に
【上欄書入れ】20
【柱】古今巻十六 〇十八