← 前のページ
ページ 993 / 1317
次のページ →
翻刻
【柱】古今巻十六 〇十九
人々見候てあまりに学問をして四季をたに
しらぬやさしさといふさたにこそのりて候へと自(じ)讃(さん)
しけれはきくもの嘲哢(てうろう)する事かぎりなかりけ
り此定茂あたらしく車をしたてたりけるをいかに
も人にかす事などもなくて秘蔵(ひさう)して持たりける
にのりて通方(みちかた)の大納言のいまだ殿上人にておはし
ける時かの亭へ参りたりける程ににはかに雨
ふりければいそぎたちて此くるまを門の中へ引入
てくるまやどりなき亭主(ていしゆ)のくるまをば引出して
雨にぬらしておのれがくるまをくるまやとりに立