翻刻
【右丁】
又蚕を休にそろゆる事たとはゝ粟 薭(ヒヘ)の間引に似たり
大躰に蒔たる粟ひへいまたちいさくやはらかなる
内間引根へ土を寄水こいをそゝき中打すれは色能
ふとりてそろふもの也殊に中打すへんすれは存分
にほき出る也又間引しゆんおそくしておのつから長
短出来たる時漸間ひけば粟ひへこわく成ふとりの分たけ
爰にて引とまりそれより手入しかけするといへとも存
分にほきる事あらし蚕も其ことく初はよく扱(あつか)ひたり共
長やすませ起蚕おほき中にてうきを間引起そ
ろう迄をけは先起たる蚕共口かれ過て蚕せいの
【左丁】
分たけ是にて引とまりそれゟ随分念を入桑沢
山あたゆるといへ共蚕せいちいさくひきりそろはされ
は繭段々にて石取思ひの外ふそくなるもの也又初ゟ
よく養立たる蚕をうすくして休まへには桑度々
せめあたへて一旦に休せいまた起たる蚕一疋もなき内に
早速うきを間引起ると即時桑付る時は蚕せい
のかわ引とまらずそれより念の入次第蚕せいゆたかに
そたち石取存分に有へし亦休は四度共に同断といへ共
就中庭の休はうすくするもの也如何ぞなれは上りまへ
喰おとりとなりてひきり揃さる事皆桑付時分の
わさなりおきはたは病起の心地にてあつ蚕を桑