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【右帖】
の離れさるに似たり誠にきのふ迄も諸の補をうく
るといへ共生死の道は遁(のかれ)かたく今日は乹土に埋れり
哀なるかな蚕母は泪にむせひ名残おしむこそこと
はり也はき初し朝より今日の夕へ【夕部】に至る迄見なれて
なしめいたはりて今のわかれの思ひ草げに世の中にて
繭ほす時桑の葉にて水を手向蚕母も物忌と
聞時は誠に娑婆(しやば)の習ひとて蚕にたにも愛別離
苦のくるしみ有況や人間におゐてをや
《割書:歌に|》世をわたるたつきつたなしたれも皆 蚕(かい)ころしての跡はそれまて
【左帖】
あゝ無常也〳〵人として不_レ観_レ之は有へからす扨又蚕を
仏法にては殺生と いましめけれ共それは戒法
の一儀也是は仏天の あたへさせ給ふ所也養人
是に私なく随分心を つくし十分にしおふせて
国家の上人のはたへをかくし余慶をあまねく及ほ
して仏天の御恩徳是にて報せんとする時はおの
づからねかふ所のさいわひを得る天理ならんや
第二蚕種調置やうの事
蚕種はさま〳〵有いつれも同性たりといへとも色白き上
まゆを作る蚕は風湿寒暑に別てよわきもの也是を
養人は取わけ補に念を入へし総してこたねを