翻刻
【右帖】
委(くはしく)聞て蚕をとられさる様に用心すへし扨又壁の目
ぬりと【念の誤記】を入すき間なきやうにすへし狭窓出入の
口にはあかりしやうじをさして破るゝたひことに
はるへし風少もあたる時は蚕の煩とならんよく〳〵
心つくへし此外遠くにて南風よけに術(てたて)有委は
記に不及
禁物の事太子本記に云
風湿寒暑 麝香 鼠 服火 汚(けかれ)火
馬糞
【左帖】
同 私に云
たはこ 羽虫 煤 くろかね 人糞
塩け 蚕のふんのうむれ 油断
又桑の次第
桑に桂桑慮桑といふあり桂桑は蚕に用て
糸にふし出ると云り蒸桑はふし不出と云り
古へは太子の御教にて冬の内桑にこひをしたると
いへとも今は桑大分に有之故人々不用又云いにしへは
太子の御教にていじみを作てぬかを敷蚕をはき