翻刻
【右帖】
入て養けるといへ共今の人々不用此外おほくおしへ
有といへとも時にあたらされはしるすに不_レ及
第四養蚕道具《割書:附|》蚕にて富貴に成たる物語
たな竹籠竹秋の内調置冬春はかいしき共に支度しろへ【脱字あり、しそろへ】置へし
かいしきはうすきこそよけれあつきは下より風入さる故に蚕うら
しめりて湿気にあたり蚕性悪敷なるもの也是をしる人
すくなし休は四度共に理は少もかはらぬもの也うすかい敷を
好へし第一に小葉養のわくたなをさし置へし籠数三
十枚以下養人は小はかいのたなにて竹休迄沢山也四十枚
以上養人は大かこ八つツか九ツさし位のわくたるをさし置
【左帖】
其上紙帳を三四畳つりに高さ七八尺にこしらへ
たしなみ置へし大分養人は幾とをりも持てよし
起炭も分限相応に春の内調置へしかこかいしき
はたとはゝ百枚養べきと思ふ人は百四十五枚も
支度すへし蚕初の程はさもなくて庭前には
おき時分こと〳〵く喰ふとりてふゑる事有其時分
は大方蚕の売買もなき物なれは道具に手つか
いてつくね養つくねやといする時は大分なる損なり
然る時は徳取時節をとらすして損する時節の
うめ草なし能々心つくへし又道具調へき余慶