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コレクション: 養蚕の書

蚕養育手鑑 - 翻刻

蚕養育手鑑 - ページ 20

ページ: 20

翻刻

【右帖】 なき人はたとはゝ五枚調る種を三枚か四枚にして 残りの代にて調へし惣して我分限より蚕多く 養事悪し分限相応にして念を入十分にかい取 道具沢山にてうすくやとひ出す時はつもりの外に 繭よくて石取存分成もの也蚕をよく養んと思ふ 人は先冬春の内道具を第一に調へし扨又間には すくれておろかなる人有て蚕をはなすへきなとゝ 思ひ種欲をかき大分はき立て蚕繁畠の年に あたりてはそまつにして蚕名利をうしなひまた 養時は諸道具人足ふそくにて農業にもやらひ 【左帖】 桑なと高直【こうじき:高価な事】なれはさん〳〵に養ちらし損する のみにあらす諸人の嘲(あさけり)をうくる是みな欲のなす わさ也慎むへし扨又此書をよむ人一通り見て猶 置事なかれ古歌に【耳=に】いにしへの学ひの道は高さ くり幾度ふるき跡をふむらんと言りこの此書にかき らす諸の【農=の】書をよむといへ共爰かしこに得心の理有 を見付すしてよみ通るは幾度古き跡をふみ悟 の理を見付たるかのことし又愚(をろか)なる人の道をゆくに あたなる事【㕝=事】を心におもひ左右の草木に目をくば るかゆへに足本にすたれる金玉を見付たるに 似たりこひねかはくは幾度もよみかへしよみ